IoT

効果が見えないから意思決定できずに、見えないコストが増えるパラドックス

よく「可視化して何になるの?」という議論をします。確かに、会社というのは投資対効果が求められますから、その議論は「必要な過程」だと思います。
ただ、前回述べたように、各社省人化やコスト削減は結構ギリギリまでやっていて、正直「可視化して必ずコスト削減ができる」なんて約束はすぐにはできないのが現状です。
AIになると、多くの会社がPOC(Proof Of Concept:概念実証)に留まっているのも、これに関係するのかもしれません。
そこで、必死になって導入したい側は時間を掛けて調査したり、議論したりするのですが、それをやっているうちに数年経ちました・・・という会社も多いのではないでしょうか。

中小企業ならともかく、大手企業であっても結構そういう状態の会社さんが多いのは、日本を引っ張るポジションとしては正直残念だなぁと思います。
一方、あるお客様では「議論はもう終わった。あとはやろう」という意思決定をして、トップダウンで行っているお客様もあります。そのリーダーシップは本当に尊敬します。

この違いは何でしょうか?

やはり、「今上手く動いている」という前提のもとにこういうことが起きやすいんですよね。「問題が無い」ことこそ問題だ」参照
と、同時に「投資よりもコスト削減」で利益を出してきた会社に多い。

一方、ミクロで見てみると
結果的に上手く行っているのはいいとして、果たしてそれが本当に科学的根拠に基づいて、今の状態なのか?と問われると、意外と説明できないことが多いのも事実。
まさに、今までの試行錯誤の成果で、先人達の不断の努力の結果。

が、それをやった人は殆ど異動や退職でいなかったりする。

また、意思決定は報告された事項、調査された情報によってされると思いますが、その報告・調査事項って、本当に事実情報に基づいているのか?というもう一つの疑問を湧いてきます。
いや、人を疑っているのではないのです。(いちいち人を疑っては仕事はできません)その情報が正しいのか?ということに着目してほしいのです。

例えば、アナログメータを見たとします。意外と出るのが、人による誤差。特にメーターの変動が激しい場合に多い。
見ている時間の「だいたい真ん中」をとって、中央値として報告している場合もあるかもしれません。しかし、残念ながらこれは人によっても、同一人物の調査であっても日によって誤差が出てしまいます。

当社で実際に調査してみたのですが、水源開発(井戸掘削)をして揚水試験というものをします。これは井戸の能力が正しく発揮できているのか?ということを調べる調査なのですが、24時間連続稼働させて調査します。くみ上げた水を三角堰を通して、その水位を定期的に調査したのですが、何と誤差が10〜15%も出てしまいました。
一方、センサーを使って調査をしたら、誤差は0.5%以内。
全ての場所でこれだけの誤差が出るわけではないのですが、これがあちこちにあるメーターを見ながら報告すると、誤差が積み上がっていくのですよね。それが分かっているだけに、それぞれの設備において安全率を積み上げて設計される。これはトータルで見ると、結構なロスです。

結局、正確な事実情報がないが故に、コストが上がってしまって効率性が悪くなってしまっていることもあるのです。

さらに、定期的な記録や報告においては、意外と起きるのが「偽装」です。実は、こういうことが起きやすい構造というのがあるのです。決して、「悪い人」だからという訳では無く、本人を罰しても何も解決しない場合だってあるのです。この件は、次回に述べたいと思います。

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