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みんな名人になろうとするとまずい理由

 もう明日から10月なんですね。今年もあと3ヶ月しかなく、家にはおせち料理のカタログが送られていました。確かに準備する側の立場に立つと分からなくもないのですが、何だかものすごく急かされているような気分です(笑)

  さて、今日のテーマは「名人芸」。何でこのテーマになったかと言うと、たまたまTogetterというサイトをみていて、パソコンのメモリを4GBから8GBにしようとしたら、一部の人から猛烈に反対されたという話を見ていて、思い出したのです。

 私も駆け出しころ、プログラミング講習を受けているときに、会社で使っているPCのスペックが私が持っていたPCよりも低くて、ものすごく疑問に思ったんですね。プログラミングで使っていたMicrosoft Visual Studioというのが起動も遅くて、これがまたMVS自体にもバグがあって(笑)とてもイライラしたんですが、その時に先輩プログラマが「最近の若い奴はすぐスペックの速さに頼ろうとする。工夫をするのがプログラマの役割だ」ときいて、文句言う前に工夫するという姿勢については、そうだなとも思い、半分心の中で「だったら、ENIAC(世界初と言われるノイマン型コンピュータ)でもつかっとれ」と突っ込んだ可愛くない新入社員でした(笑)

結局、これって「俺の若いころは苦労したから、お前らも苦労しろ」ということ以外の何物でもなく、全く不合理なんですよね。ちなみに、私たちのグループ会社全体では、ストレスなく仕事ができるように、新入社員だろうと入社20年選手だろうと、高スペックのものを使ってます。とても効率の良い投資なんですよね。

さらに「工夫をする」という姿勢。これはとてもいいことですね。一方、「全員修行」という非効率なことになりかねないので、注意が必要です。

全ての業務に言えることではないのですが、あまりにも高すぎる平均値を求めると、いくつかの問題点が出るんですね。

1)育成に時間とお金がかかりすぎる

 上の書き方はどちらかというと企業側からの視点かもしれませんが、育成される当人にとっても「絶対なりたかった」とか「その仕事・技術の将来性に心底期待している」のであれば問題無いのですが、残念ながらそうでないケースも多いんですね。

 周りの変化も速いですから、きをつけないと当人にとって「いつまでこんなことやろうんだろう」と思われてしまうと危険です。周囲の人が思うよりも簡単にキャリアチェンジをしてしまいます。

 一所懸命にやってきたあなたほど、仕事に思い入れがあるとも限らないのです。

2)長い時間かけて育成すると、新しい技術習得インセンティブが低下する

一方、仮に修業期間を経て「一人前」になったとしましょう。そうすると、自分が投資してきた時間を簡単に凌駕されるような(もしくは、されそうな)技術が出てくると当然反発しますし、「また修業」というインセンティブはどうしても働きにくくなります。

分かりやすい事例がちょっと昔の「スマホは通話がしにくい」とガラケービジネスから抜け出せなくなって、今となっては壊滅的なくらいのシェアしかないメーカーもそうですし、「品質が悪い」と散々言っていた海外メーカーにいつの間にか日本のメーカーよりも売れているケースもそうです。

見方によっては、「傲慢」になってしまったということもできるかもしれません。

結局は「程度問題」という話なのですが、「使える道具はどんどん使おう」(もちろんお金がないなら工夫するしかない)ことにつきるのですが、「自分がやった苦労をすぐに解決するのが面白くない」という状態にならないようにだけ気をつければいいのじゃないかと思います。

短い時間で、安いコストで解決でき、次の世界に苦労させない。

これも重要な進化の一つかもしれません。