問題解決

貢献意欲「だけ」に支えられる現場は危ない

日本の工場の現場を見る時に、本当に感心するのが「貢献意欲の高さ」です。

これは日本の教育の賜物なのでしょうか?文化なのでしょうか?色々と考えても分からないのですが、「あいつは、自分から動こうとしない」とかいう話を聞きますが、日本以外に比べたらもうずっと貢献意欲が高いと私は思います。
まぁ「当たり前」というレベルの高さをずっと作り続けてきているのかもしれません。
これはこれで素晴らしいことですね。

工場に限らず、組織を運用するには、大きく「しくみ」と「運用」に分かれます。
マッキンゼーが提唱した7Sというフレームワークがあり、前者を「ハードS」後者を「ソフトS」と分類する場合もあります。

「貢献意欲」というのは、まさに後者の「運用」であったり「ソフトS」であったりします。
これは他者からみると、分かりにくいものであるが故に「マネがしにくい」という良い所もあります。

が、この「当たり前」のレベル感を維持するのに、どれだけのパワーを使っているのでしょうか?
おそらく昔から続いている習慣でもありますから、相当なパワーを使っているのかもしれません。
この「当たり前のレベル感」というのは、「企業文化」と言い換えても良いかもしれませんが、こういうのは殆どの場合可視化されておらず、明文化もされていません。

それだけに、実は細かなズレというのは生じてしまいますし、さらにそのズレをなくすために結構な努力が必要になります。さらに、新しく入ってきた人はその文化になじむために、相当なパワーを使いますし、それはそれでお互いにストレスを抱えるのも事実です。「経験曲線」という言葉があるくらい、一旦慣れてきたりするともの凄いパワーを持ちます。

ここで気を付けておきたいのが、「文化」や「当たり前」に頼りすぎると、「それくらい分かれよ」とか「自分から動くのが当たり前だろう」というような、「価値観の押しつけ」にいつの間にかなってしまうこと。これは「価値観」という説明が付かない宗教のようなものになってしまい、いわゆる「宗教論争」みたいになってしまうんですね。

例えば、それが「人は潤沢にいて、就職も難しい」「辞めてもすぐに採用すればいい」というような環境でしたら、その手段もアリです(私はイヤですが(笑))
しかし、そういう時代はもう来るのは相当確率が低いかもしれません。景気が悪くなると、そもそも採用すらしなくなる。退職しても補充はしないでしょうね。リーマンショックを思い出してみましょう。
もし、外国人労働者が仮にどんどん入ってこれるようになったとしても、そもそも「あうんの呼吸」を求めろという方が無理筋ですし。(もっと言うと、外国人労働者すら来なくなるというのも現状になりつつあるのですが、これは別の話題ですね)

だんだん「貢献意欲」に基づくしくみが難しくなってくると、何が起きると思いますか。

今度は「貢献意欲が高い人」に仕事が集中します。タダでさえ人を減らしていますからね。そして、その人々が最後に疲弊します。

そして、貢献意欲が高い人が職場を離れていくのです。
真面目な人ほど損をする。そんな会社にいたいですかね?

 

「人を大切にすること」と「貢献意欲に依存する」のは別です。貢献意欲を出すには、やはり「考える余裕」がないと難しいです。その余裕を作るには、人以外の「しくみ」が重要になってくるのです。

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