問題解決

「ウチの経営陣は現場を全く分かっていない」にはそうなる構造がある

前回のブログで、「「上が現場のことが分からない」というのは、そうなる構造があると思った方が良い」と書きました。
「上が現場の実態を理解していない」現場からすると結構イライラすることもあるでしょうね。(しかも、上にそれを指摘すること自体勇気がいります(笑))

ただ、それに対してイライラしても仕方ありません。
これには「そのようになる構造」があります。

会社には「階層(ヒエラルキー)」というものがあり、その階層を辿って上に情報が報告されます。
階層を経て報告されるということは、必ず途中で「情報の集約・要約(summarize)」というものが存在します。

では、”集約・要約”とは何でしょうか?

これは単純です。「無駄な情報を捨てること」。

では、「無駄」とは誰が判断するのでしょうか?

これも単純です。「報告者」です。

つまり、報告者は「今、ここでこれを言うべきか?」という情報の取捨選択を行い、上に報告するわけです。
となると、必然的にトップまでの階層が増えれば増える程、途中の中間報告者の数が増え、その度に「情報の取捨選択」が発生します。場合によっては「エッジが全くない報告」か「色んな人が色んなコトを入れ込んだ、グチャグチャな報告」のどちらかになりがちです。

しかも、それらには殆ど悪意というのは存在しません。むしろ善意の塊で有ることの方が多い。

だからややこしいんですね。

「今、これを報告すると問題が複雑化して混乱してしまう。シンプルにするために今言うのは止めておこう」という善意の判断が一番多いかもしれません。その善意の判断は、報告者が考える善意の判断でしかありませんから、意思決定者や現場にとって必ずしも善意とは限りません。

みなさんもやったことありませんか?

「今、いうのは止めておこう」

これがまさに「情報の取捨選択」そのものです。
これらが組織のあちこちで起きているのです。

このように、階層が増えれば増える程、情報の集約・要約が行われますから、必然的に重大な事象以外は情報がそぎ落とされて伝わります。上位層はその情報から仮説を立てて、質問をするのです。

これが悪い方に進んでしまったのが、「隠蔽体質」とか「官僚体質」と言われるものです。

では、「ストレートに報告すれば良いじゃないか」と思うかもしれません。

しかし、全ての情報を上に上げたとしたらどうなるのでしょうか?

上位層は情報の海に溺れてしまい、却ってスピードが落ちてしまいます。
それだと非効率極まりないですし、そもそもそれでは「組織」的に動いていることになりません。
分業は「効率性」や「専門性の向上」「分業」などを目的としてやっているに過ぎません。

この文章を読まれる方は新入社員以外の方が多いでしょう。
例えば、新入社員からいちいち全部報告を受けたら、みなさんイライラするでしょう?

「そんな些末なことはどうでもいい」

しかし、新入社員には「些末か重要か」なんて判断つきません。だから「念のために」全部伝えているだけなのです。

ですから、そもそも「現場の全てを事細かく知る」ということ自体が、組織である限り無理筋な話なのです。

むしろ「うちのトップは現場の細かいことまで把握している」というのは、本当に詳細に理解しているとすれば、それは分業制が上手く機能していないか、昔の経験がそのまま生きているだけに過ぎない(昔と今とビジネスが変化していない)ケースか疑った方が良いです。

「現場の気持ちを理解する」ことと「現場の細かいことまで理解する」はそもそも異なります。ここは一緒くたにしない方がいいです。

一番怖いのは、「いざというときに、細かく把握できないこと」なのです。

「上には要約して報告するが、いざとなったら細かいことをいつでも把握できる」これが一番良いわけで、「いつでも出せる」ということを目指したいもの。

情報の海に溺れるのは、上だろうが下だろうが関係ない話であって、あくまでも情報の蓄積、要約、報告の問題なのです。

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