テクノロジー

標準化って「人の工夫」をないがしろにするんじゃない?

 システム化や高度化、自働化などをしていく過程では必ず「標準化」というプロセスが入ります。

その時に必ずと言っていいほど出てくるのが「標準化は人の工夫を認めないのではないか?」という反論。

 これは昔からよくある議論です。

 標準化というのは、マニュアル化だったり、誰でも出来るようにすることだったりするので、そこに人が存在しないようなイメージを受けるのかもしれませんね。

 結論から言うと、人の工夫を大切にするからこそ標準化が大切なのです。むしろ、標準化を無視するというのは、実は人に過剰な苦労をさせてしまうリスクだってあるのです。

 では、そもそも標準化とは何でしょうか?

 読んで字のごとく、仕事で行っていることを「標準」にすることです。

標準には色んな意味が含まれますが、「誰でも満たすべき基準」とか「誰でも満たすことができるレベル」とも捉えることが出来ます。

 つまり、誰がやっても基本的に求められる水準を満たすことができるようにすることが、標準化なのです。

 そのために、手順書やマニュアル、システム化という手段が存在するのです。

 標準化で失敗するパターンとしては、「一度作ってアップデートされていない」というパターン。

一度標準化を始める時は、大がかりにやるケースが多いんですね。いわゆる「イベント」です。

確かに最初にはイベント的にやらないといけないのかもしれませんが、重要なのは標準化されたものをロールアウトした後の「日頃の営み」化しているか?ということ。

 一度標準化しても、完璧なものはできあがりませんから、結構現場現場で工夫をしているケースがあります。

その工夫がいいものであったら、それをさらに標準に組み込んでしまえばいいわけです。

 0からスタートしていちいち経験値を積んで、時間を掛けて標準レベルに持っていくと、いくら時間があっても足りませんし、そもそも状況がどんどん変わっていますから、その苦労も徒労に終わる可能性も高くなります。苦労が徒労に終わる可能性がある仕事に誰がやるでしょうか?

 標準というのは、誰でも出来るレベルに持って行っている訳ですから、標準までスピーディーに到達して、すぐにその先の「工夫」の領域に入ることができます。これが「標準化は人の工夫を大切にするためのしくみ」たる所以です。

 標準化を「80点主義」と言ったりすることもありますが、これは「8割程度でいい」というよりも、「常に80点」という意味合いの方が強いかもしれません。つまりその先の20点は常に人の工夫によってレベルを上げる。標準になったら再び80点であり、常に工夫や改善を繰り返していってレベルを上げていくという意味合いで捉えていくといいかもしれません。

 標準を作るというのは、人が持つ創意工夫を出しやすくする、人を大切にしたやり方なのです。

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