ワークライフ

同質性がチームワークではない

 最近、たまたまアメリカのメーカーについて調査する機会を得ました。

私はその会社を理解するには歴史が一番だと思ってまして(どう変わってきたかということから、どういう問題に直面したかが分かります)、その会社の歴史を調べていたんですね。

 そこでふと気付いたのですが、1980年代(ちょうどレーガン政権くらいでしょうか)におかれた状況が、30年後の日本とそっくりだということ。当時の日本は中曽根政権から竹下政権とこれからバブルに向かおうとする、ある意味日本の絶頂期です。

 アメリカのメーカーはどんどん進んでくる日本メーカーにコテンパンにやられ(価格は安く、品質は高い。アメリカ市場というのは鷹揚なところがあって、良いものはブランド関係なく良いという消費者が多い特徴があります)、スーパー301条などを発動して、飛行機買ったり、輸入品を買いましょう的な政府広報がありましたが、所詮それは「付け焼き刃」です。

 その過程で生き残り戦争に戦うために、様々な改革を行ってきました。それはもう日本でやったら、新聞で大々的に叩かれる首切りは当たり前、経営者もクビ、売却、買収というだけじゃなくて、そのまま残った会社も中のやり方は大幅に変えています。

 気付いたら一部の「ものづくり」は確かに残りました。残った商品で有名なのが「中央演算装置(CPU)」「コンピュータソフトウェア・OS」であったり「飛行機」。

役割は分けられているけども、統合されて初めて意味をなすような商品群です。

 これらの商品群は全て日本が弱いですね。

 ちょっと難しい話になるかもしれませんが、全てこれらはインテグレートされているものです。

「インテグレートされている」というのは、「機能はキッチリと分ける。しかし、統合することでもの凄い付加価値を出す」と思ってください。

 「あれ?チームワークなんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はチームワークという本質は何ら変わりありません。

 日本ってまとまると強いんでしょうけども、何故かチームワークが必要なサービス群になると何故か弱くなる。

いや、もう本当に不思議でたまらないのです。

 おそらく、個別のスキルの問題ではなくて、同質化の強制(議論を通じた問題解決を避け、いきなり同じであることを相手に求める)が問題なんじゃないかとも思えてきました。

 チームワークといっても、役割はキッチリと分けていて、戦略を考えるもの凄く賢い集団から、地道にやる方が得意な集団だってある。しかし、何故かそこに差を付けることを嫌がって、変な同質性を求めているから結局役割も曖昧になってしまったり、だったらコミュニケーションして調整すれば良いはずのことを、「変に思われたくない」とか「イヤに思われたくない」とストレートな議論を避けてしまう所に問題があるのではないかとも思いました。

 その代表的なのが「違和感」だとか「いかがなものか」とか「けしからん」という奴です。よく聞きますね。新聞でもよく出てきますよ。

 違和感を感じるは個人の自由だとは思いますが、外にその意見を出すときには曖昧な違和感などという言葉逃げずに、ここがおかしいと思うと言えばいいと思います。(だからこそ、表現を磨いていく必要がある。子どもの頃に習った国語というのは重要な科目なんです。文学を楽しむだけが国語じゃありません)

 また、議論をせずに、言うこと(命令)を聞くことがチームワークであると勘違いされている方もまだまだ多いのが実情です。

本来のチームワークというのは、それぞれの持ち場が何をやっていて、何が得意かを把握して、相手を信じてそれぞれが価値発揮をすること、それぞれ助け合うことが必要で、根底には実はダイバーシティや個人の尊重が含まれているんです。

ただ、何故かチームワークとなった途端に「リーダーの言うことを聞き、一糸乱れず行動をすること」に転化されてしまう。今どき先進的な軍隊でも緊急時以外はそんなことしません。

 ストレートな議論ができなくなった組織はもう終わりが近づいていると思った方がいいです。ストレートな議論ができないというのは、問題解決よりも自分を優先している状態と変わりありませんから、「やるだけ無駄」があちこちで起きるわけです。

 この「やるだけ無駄」というのは1980年後半に起きた社会主義国の崩壊の原因の一つでもあるのです。それと時代的にも一致するのもなかなか示唆深いものです。

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