テクノロジー

新人の方が知識も経験もある

 昨日の夕方に、AIEの部屋で雑談をしてきたら、たまたま新入社員のMさんに量子コンピュータについてレクチャーを受ける機会を得ました。

量子コンピュータについて知っていたつもりですが、全然分かっていなかったというのが正直な感想です。

 私たちが普段使っているコンピュータの基本的な概念は、「ノイマン型」が原型で1945年に発表されたものです。(ちなみに日本が戦争に負けた年です)これらの発展系が今のコンピュータで、概念としてはもう74年前の話です。

 量子コンピュータの内容は色んな書籍などで書かれているので、詳しくはそちらに任せて、一番印象的なのは「処理速度が速い」という概念が、やっぱりノイマン型をベースに考えているんだなというのがよく分かりました。

量子コンピュータの場合は、処理速度が速いように見えるけども、実は処理するプロセスパスが累乗的に増やすことができるということが肝で、集積回路の処理速度を上げるというノイマン型とは考え方が根本的に異なります。(思わず、大阪弁の「知らんけど」を付けたくなる(笑))

 こういう話を聞くときは本当にわくわくします。

 何がわくわくするって「年上=経験が豊富≠年下は無知」というのが起きるんです。下剋上が起きるんですよ。

年齢と今までの経験が全く通用しない、新入社員に教えを請うというのが大好きでたまりません。

ITの世界は昔からこういうのが多いんですよね。今までの概念がひっくり返されることが起きるんです。

そして、そういう世界には常にフロンティアが現れます。

 今回、量子コンピュータについてMさんに質問をすればするほど、自分がノイマン型をベースに考えていることが本当によく分かりました。

 経験が生きるというのは良いことであると同時に、根本的な前提条件が変わっていないということでもあるのです。

結構これって危険ですよね。

 人は経験から学ぶ動物ですから、学習が活きないことを嫌がります。(だから現状バイアスがあるのかもしれません)だからこそ変えることが大変だし、大変だからこそ価値があるのかもしれませんね。

 たまたま先日、高柳健次郎(日本で初めて「イ」の文字をブラウン管に表示した技術者。日本のテレビの父と言われる)の伝記をYouTubeで見ていたのですが、そこでも高柳がビクターの役員になってからも、技術を習得し続け若手のアイデアをずっと聞き続けたという行(くだり)がありました。

 ちなみに、昔普及したVTR(ビデオテープレコーダー)の特許についても、高柳博士は持っていて、私たちの生活を大きく変えた技術者でもあるのです。

 あれだけ成し遂げた方ですら、ずっと若手技術者から学び続けたということ、やはり昔から変化に対応することだけが発展に繋がるということは、何ら根本的には変わっていないのかもしれないとも思った次第です。

 つまり、経験を積めば積むほど実は変化を嫌うリスクを積み上げていくことにも繋がるわけです。これは私たちが作っているサービス自体にも言えるわけで、一度作ると「せっかくここまでやってきたんだから」と、根本的に仕組みを見直すことをせずに「増築した熱海の旅館」を作ってしまうリスクを自分たちで作り上げてしまうことになりかねません。(といいつつ、うちの会社は平気で作り上げた仕組みが上手く行かないと全部やり直しということを何度も繰り返してきています(笑)ガラガラポンをした方が埋没コストを避けるコツでもあるのです。その代わり「えーーーー」と言われますよ(笑))

 昨日はとってもいい学びを得られた気分で、これからのMさんの活躍が楽しみでたまりません。

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