テクノロジー

論理と情理

 先日、財務省から新紙幣の発表がありましたね。

まぁ、こういうのは国民全員が対象となるので、常に批判にさらされるので企画した人は大変だろうなと思います。

よくあるのが「何で渋沢栄一なんだ」とか(もう、これは人によって見方が変わりますから致し方ないですね。現行の福沢諭吉もそうですし、先々代の聖徳太子の時も同じ議論をしています。)

あと、「電子マネーが普及している時代になぜ敢えて紙幣なんだ」という突っ込み。

気持ちも分かります。が、残念ながら日本のキャッシュレス比率は色んな指標がありますが、20%程度で政府自体は2020年までに40%くらいまで上げたいとの意向があり、「それと逆行するのではないか?」という突っ込みは入りやすいんでしょうね。仮に40%の普及率であってもまだ過半数の人が現金を使い続けているわけです。

あと、「偽造防止は前回も言っていたではないか」という突っ込み、これももう新紙幣を発行する度に毎回言ってます。何故なら偽造技術というのは、もの凄い勢いで進歩します。(ハッキング技術もそうですね。悪いことをするための技術というのは、本当にすごい進化をします。だからこそそれに対抗して、結果的に「切磋琢磨」状態になるという面白い現象が起きます。軍事技術もそうですね)

こういう突っ込みを冷静に見ると、どの程度どのリテラシーがどう伝わっているのかが見ることができます。熱くなる前にちょっと俯瞰して見るのもオススメです。

 で、その渋沢栄一翁が言っていた言葉で有名な言葉が「論語と算盤」この中で「富をなす根源は何かと言えば、仁義道徳。正しい道理の富でなければ、その富は完全に永続することができぬ。」ということを言ってます。「富をなす」という行為が「道理」というapple to appleではなくて(本来比較しない別の軸が同居している)一見相容れないような気もしますが、それはいわゆるロジックだけの発想であり、「ORの発想」とも言ったりします。(確かに統計学の世界では軸の異なるものを比較すると、誤謬(ごびゅう)を起こしてしまいます)

 また、ORというのは、情報の絞り込みという観点では考えやすくする上で有用な方法です。一方、気を付けておかないと「論理的排除」になってしまい、対立の概念が生まれてしまうことがあります。

もちろん論理的には相容れない部分はあるでしょう。しかし、面白いことに人間にはもの凄い特徴があります。

「感情」です。

 ここで持っておきたいのが「ANDの発想」。軸がことなったりすることであっても、同居させてみると様々なことが見えてきます。

いくら良い方策であったとしても、人は「気にくわない」とか「理解できない」となると、行動が制限されたり非論理的と言われる行動も取るのです。この周辺メカニズムは「失敗学のすすめ」とか「組織は合理的に失敗する」で触れられています。

 また、最近では行動経済学や感情経済学といったり、様々な言葉で表現されていたりしますが、人の行動に着目して解明しようとしています。

 技術の世界も同様です。技術には人が受け入れやすくする努力はし続けないと受け入れられませんし、受け入れられないと技術を一生懸命考えている人は、受け入れていない人にたいして排除の論理を使ってしまい、時には力でねじ伏せたりしてしまい、結果的に不幸な状態になってしまうことだってあります。

 私はこれらを「論理と情理」という言葉で語ることが多いですが、IT技術を使うのはやっぱりお客様を幸せにしたい、だからこそ両方をどう両立させるかを考え続ける必要があると心から思っています。

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