問題解決

進化を止める「薮蛇」と「悪魔の証明」

 新しいことを社内で実行するとしましょう。

おそらく、何らかのカタチで稟議であったり相談することがあると思います。

これは組織の中では重要な営みなのですが、時々それらが「新しいことを行う上でのブレーキ」になることがあります。

 それは「薮蛇」と「悪魔の証明」です。

 「藪蛇」というのは、新しいことをやろうとしたときに出てくる謎の突っ込みです。

提案者:「今までは●●の部分に問題がありましたので、今回の▲▲という方法で解決したいと思います」

承認者:「それはその通りかもしれないけど、なんで今まで問題があったのに放置していたの?その問題を放置していたのは誰?」

 実は、これ論点がずれていることに気付きにくいんですね。

提案者は問題があったことを認めているのですが、承認者は「問題が発生していること事態が問題だ」という論点に変わってしまい、今まで提案者が問題を放置していたことを突っ込んでしまっています。

 こんな突っ込みを受けてしまうと、提案者は自分の立場が悪くなるので「提案しない方がマシ」になってしまいます。

 次「悪魔の証明」

 「悪魔の証明」とは「ないことを証明せよ」ということで、証明できないことを求める行為と思ってください。無いことを証明はできないのです。

提案者:「今回の▲▲という方法は、今まで手作業でやっていたことをシステム上で実現したいと思います」

承認者:「このシステムは間違いがないの?必ず正しく動く?」

提案者:「確認はしていますが、現在のところバグは見つかっていません」

承認者:「いや、現在の所では困るんだよ。間違いがあっては困る」

 一見、正しい突っ込みのようにも見えますが、前提として「人はミスをする」ということがすっぽりと抜けてしまっています。いつの間にか「今までのやり方が正しい」という前提が入ってしまうんですね。まぁ、提案者も「今までの●●%のミス率からシステムによって■■%になることを期待している」といえば良かったのかもしれません。

 実は「これからも間違いがない」というのは証明できないんですよ。未実現のことですから。既にあるデータの間違いをなくすことは可能かもしれませんが、未来まで証明はできませんし、そもそも起きていないことを証明すること自体が難しく、議論がスタックしてしまう原因になります。

 藪蛇にしても悪魔の証明にしても、共通しているのは「突っ込む側は正しい」と思い込みやすいんです。それ故に「俺は間違えていない」という無謬性にとらわれてしまいがちで、受け手はその無謬性を証明するために相当な工数を投入しないといけないこと。平たく言うと面倒くさいという状態になってしまうのです。

 また、前提としては「今まで問題にならなかった」ということがありますから、新しいことをやろうとすると、その面倒くささが先に立ってしまい、「何も言わない・提案しないことがベスト」という状態になってしまいます。

 これって実はかなり危険なことでもあるのです。

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