問題解決

人を増やすともっと忙しくなる怪

人を採用するのがどんどん大変になってきているのですが、やはりビジネスを成長させていく上で、採用というのはとても重要な手段の一つです。

 バブル崩壊、阪神大震災、ITバブル崩壊、リーマンショック、など数々の危機を乗り越えてきた会社は、社員(期限無し雇用)を採用することにかなり神経質になっています。派遣会社などの非正規雇用者を雇うなどを行った結果、人的リソースはギリギリのラインで仕事をやっている会社も多いかと思います。(一旦採用すると日本の場合はレイオフなどの解雇が難しいというのもあります。)

また、部門別の損益計算などの管理会計がすすんだ結果、どの部署がどれだけの費用を使っているのか?ということも明確になり、さらにそれが評価にも結びつけることも多いでしょうから、人を増やすことに対する有形無形のハードルもあるかもしれませんね。

新卒採用の場合も「昨年も同様に」というのが必ずしも許される訳では無く、やはりそれなりの工数計算、要員計算などを経て決められるケースが多いでしょうが、そう簡単に増員することはやはり大変です。

もうこれだけ大変だと、採用や増員するときというのは、「ギリギリまで我慢したけども、どうにも対応しきれず人を増やす」いうのが多くなる構造になりやすいのです。

 この「我慢してやっと認められた採用」

気を付けないと無限の増員ループにはまってしまう危険性もはらんでいます。

「もの凄く忙しい」とか「どうにもならない」というのは、どれくらいオーバーワークになっているのでしょうか?

 おそらく、人間が組織的に継続的に長時間労働ができるとすれば、せいぜい標準工数の1.5倍くらいでしょう。それ以上は一時的にはできたとしても、継続的に行うのは難しいですし、残業規制であったり人件費を上げることができないということから、頑張って何とかするというのも正直難しいです。(昔は残業代が出ない管理職が頑張って何とかするというのもありましたが、あまりやりすぎるとこれまた問題になってしまいます)つまり、「何とか歯を食いしばって頑張る」という選択肢がとれなくなってきたわけです。

 で、念願叶って採用したとします。

 仮に「即戦力」として入ったとしましょう(実際は難しいのですが)教育工数も必要ない。

 仕事の切り分けも比較的簡単にできたとしましょう(実際は難しいのですが)新しく入った人に仕事を渡すことができた。

 その人に渡す仕事の量はどれくらいでしょうか?

 元々通常1.5倍の仕事量をやっていたとすると、理論上は0.5人分の仕事ですかね?(実際は難しいのですが)

そうすると、渡された側は0.5人分の仕事をすればいいわけなので当然0.5人分の工数が計算上余るわけです。

計算上「あの人は余裕がある」わけです(笑)

当然、遊ばせるわけにはいかないわけで、何か仕事を与えようとします。

 どんな仕事でしょうか?

 こういう仕事です「今までやりたかったけどもできなかった仕事」

 ところが、この「今までやりたかったけどもできなかった仕事」というのは、綺麗に0.5人分なんてありませんし、割り当てることもできないでしょうね。色んな仕事を積み上げて「だいたい0.5人分」くらいになるように仕事が積み上がってきます。理論上1人分です(実際は難しいのですが)

 また、真面目な人も多いので、サービスレベルを上げようと努力するんですね。そうして、無事1.0を超える環境ができあがるわけです。サービスレベルを上げるとサービスメニューも増やそうとします。そして、暫くすると「どうにもならない」状態が再びできあがります(笑)

 サービスレベルが上がっているので、一見問題ないようにも見えるのですが、「別に今までなくてもなんとかなってきた仕事が、いつのまにか標準業務に早変わりする」という状態です。元々やっていなかったことをやっているわけですから、冷静に見て仕事が増えてしまっているわけです。

 これが魔の無限ループです。

「忙しくて人が足りない→人を増やす→仕事が増える→また人が足りなくなる→さらに人を増やす→さらに仕事が増える」

しつこい位に(実際は難しいのですが)と書いてますが(笑)上の話は、あくまでも工数計算上の話です。

 実際は教育して、実際に求めるアウトプットを出せるまでのタイムラグがありますし、複数の仕事をすぐに切り分けながらやることもできませんし、人間には暖機運転が必要ですし、ロスタイムだってある。また、0.5人分の仕事を切り分けることなんてそう簡単にはできません。

が、これも結局は「無限ループが時間差でやってくる」だけです。

 人が増えることで、利益などの経済価値が正比例であがるのであれば、誰も文句言わないのでしょうが、人が2倍になっても経済価値が2倍になることは「何らかの仕組み(ビジネスモデルと思ってください)」を入れない限り難しいでしょうね。結局、自然と効率は悪化するようにできているわけです。サポート部門の場合はさもありなんです。

結局は「標準化と仕事の取捨選択、人の代わりにITが仕事を任せる」というのがセットでない限り、人を2倍に増やしても、アウトプットは2倍にはならない、しかも、仕事は自然と増殖してしまうという、怪談よりも怖いお話でした(笑)

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