問題解決

瑕疵防止の目的は、「瑕疵をなくすこと」ではないという皮肉

 先日、とある損害保険会社の契約システムを見る機会がありました。

自動車保険の更新時に診せて貰ったのですが、ペーパレスにはなっていました。

 ただ、いかんせん全体像が見えにくいので、結局契約内容を紙に出して一つ一つ確認せざるを得なかったんですが、これは別にITが悪いとかではなくて、ITが得意なところと苦手なところ(紙の方が得意なところ)があるだけの話です。

 こういう議論になるときには、何故か「どちらがいいのか?」という「ORの議論」してしまうんですね。

 別に併用でいいのにと思うだけなのに、何故か二元論で議論をしてしまう。正直、これでは「結局、面倒くさいから今のままで」となってしまうんです。

 さて、本題です。

 契約内容を確認するときに、契約者が確認ボタンを押すための作業が必要になるのですが、なんと「前のボタンから次のボタンまでの時間を計測している」とのこと。そして、ボタンの時間が短いと保険会社から代理店(厳密に言うと、会社ではなく募集人に)指摘が入るとのこと。

いやはや、ご苦労様なことです。

 そこで、ふと考えて見たんです。「今までの紙の時にはどうしていたのだろう?」

 聞いてみたら「そんな突っ込みは今までなかった」との由。

私「でも紙だと、別人でもハンコさえあれば別に申込はできるわけですね?」

募集人「確かに本人確認を第三者に証明することはできませんね。」

 正直「うーん」と思ってしまいました。

 紙で行っていても、捺印とかサインの場合に何も考えずに捺印・サインするケースが存在するわけです。

 最近では、運用上契約書のサインに加えて「たしかに聞きました」という承認のサインを入れたりすることが増えました。携帯電話の契約でも膨大な書類とサインやチェックを記入する必要があり、契約手続きに軽く30分はかかります。(私はあの馬鹿馬鹿しい儀式(笑)はやりたくないので、店舗がない会社に変えました)

 この保険会社では、説明をしたという確認のサイン、捺印にたいする代替手段として時間を計っているらしいです。

法的な争いの場合は意味があるでしょうが、正直何の意味も無い作業です。

 アナログ的なやり方だろうが、ITだろうが、どっちにしろ効果が怪しい行動を同じようにさせている。

あくまでも「やってます」とうことを見せるためにやっている行動にしか過ぎないのかもしれません。

 似ていることに、添付ファイルのパスワードを別メールで送るという作業もありますね。

 このような「意味の無い行為」の原因は、多くは(よく分かっていない人からの)「大丈夫なのか?」というご下問からスタートします。問題解決とITと確率論をよく分かっていないことから、このような発言が平気で出てくるのです。

そして、それを言われた人はいちいち説明しません。

説明しても分かってもらえないことを分かっているのです。

そして、ご下問をされた方はいつまでも自分が愚問をしたことに気付かないのです。

辛辣かもしれませんが、これが現実です。

 100%の完璧なものができないにもかかわらず、(自分が担当している間は)間違いがあってはならないという、一見正しい行動が、無駄な意味の無い機能を実装させ、仕事のやり方がより複雑化し、そしてシステムも複雑化する。

 そして、結果的に進化を遅らせてしまう。

 そして、問題を起こさないことだけに注力しすぎると、結果的に問題が起きたときには「想定外」となってしまい、対応が後手後手になりやすくなります。

 多くの業務というのは、ある程度の確率が問題が殆ど起きないということであれば、突き詰めるよりも「万が一起きた時にどうするか?」という方がスピードも上がり、むしろ問題解決にちかづいていくのです。

 完璧というのは、姿勢としてはカッコイイ。しかし、そのかっこよさが問題解決に遠のく皮肉な結果をもたらしていることもあるのです。

 ちなみに、この保険会社の手続き。(募集人が対面でやっているというので)本人確認はありませんでした。チグハグすぎてやっぱり、私には理解できません(笑)

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