テクノロジー

工場というのは、人にそっくり

 工場というのは、人とそっくりな所があります。

 というのも、工場は本当に様々な機械設備が有機的に繋がってトータルとして機能を発揮します。ネジなどの細かい部品を含めると、どんな工場でも軽く「億」の単位になってしまうでしょう。誰も数えることなんてできません(笑)もう、時にはアートにすらみえてきます。

 この「有機的」という言葉。大辞林によると、「有機体のように、多くの部分が緊密な連関をもちながら全体を形作っているさま。」ということなのですが、まさに本当に「緊密な連関」とはよく言ったもので、これらがないと、うまく生産も機能もしません。

 人間も動物もタンパク質が有機的に繋がったものですし、音も出すし、動作もする。

 そして、機械部品は1つ買ってきて、導入すれば終わりというわけではなく(交換すれば終わりというケースも一部はありますが)、「つながり」がありますからそれぞれが連携する必要があり、そこには色んな調整作業が入ります。

 なんだか複数の人が集まって組織を作るのと似ていますね。

 人が集まって仕事をする際には、必ず調整という作業が必要ですね。これらが多すぎると仕事のスピードはどんどん落ちていって、忙しい割には成果が出なくなってしまうことが起きてしまいます。

 機械の世界においても全く同じで、毎回毎回調整なんてできないので、ある程度の許容範囲の中でお互いをつなげて、ずれを吸収していっています。

 この「調整」という作業ですが、それぞれがストライクゾーンを大きく取り過ぎると、スペックがやたらと大きくなってしまったり、エネルギー効率が落ちたりしてしまいますから、何でもかんでもいいという訳にはいきません。

 かといって、厳密にやりすぎると、スムーズに連携させることが難しくなってきます。

 これまた人や組織にそっくりです。

 厳密に調整して打率をあげるには、それぞれの機械が安定する必要があります。しかし、言うのは簡単ですがこれが難しいんですよね。

 機械というのは、物理的な動作が必ず入りますから常に精度は下がっていきます。その精度の劣化は、どんな機械も同じペースであればいいのですが、そんな都合がいいことは残念ながら起きません(笑)

 しかも、機械というのは同じ時期に入替をしているのであれば、ある程度調整はしやすいのでしょうが、そんなこともなくて、古い工場であればあるほど、修理交換サイクルも違いますから、時期の異なるものが入らざるを得ません。

 この調整がうまく行ったら、安定させ続けるににはずーっと付けっぱなし、動かしつづけるのが一番です。

ずっと同じ状況が続くの方が、やはり安定もしやすいですし、生産物も品質が安定します。(短距離ばっかり走る車が故障が多くなるのと似ていますね)

 しかし、これまたそんな都合の良いことはありません(笑)

 だって、そんなに生産し続けてもモノが溢れますし、だいたい1つの製品をずっと生産し続けるなんて殆どありません。それゆえ、「段取り替え」や「起動(オン)」や「終了(オフ)」を1日の中で何度か繰り返さないといけなくなるんですね。

 当然、工場が古くなれば古くなるほど、トラブルが起きる確率はどうしても高くなってしまうわけです。その度に、調整作業(ハーモナイズといったりしますが)が必要になってきます。

 ところが、全ての工場に人が潤沢にいるわけでもありません。そうなると、どうしても調整には優先順位を付けざるを得ない。そして、優先順位が落ちたところにトラブルの種が埋め込まれていくんですね。

 健康と自覚していて、健康診断を受けないといつの間にか病巣が知らない間に大きくなって行ってしまったというのと似ています。

 いやー、怖い怖い。(私も若い若いわけでもないので、書いてて勝手に身につまされています(笑))

 こんな所まで人に似なくてもいいのに、と思うかもしれませんがこれが現実なんですね。

人が歳を取るとあっちこっちバランスが崩れていって健康管理が必要になるように、工場も全く同じなのです。

 ちなみに「工場ドクター”FORS”」の「ドクター」というのは、人が血液や排出物を見ることで、人の健康状態を見るように、工場もセンサーを使って人の手を介さずにウォッチし続けることからコンセプトができあがっています。

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