問題解決

質を追い求めても質が上がらないパラドックス

 ディープラーニングで画像判定をすることがかなり普及してきましたね。この普及で面白いのが、今までは業務用(もっというと軍事用)からスタートして民生用に降りてきたものが、今は軍事用から民生用に行き、そして業務用に行くというルートが増えてきたような気がするんですよね。

 特にインターネットに親和性の高い技術というのが、そのように感じます。GPSも軍事用をいきなり民生用に転用しましたし、AIもそうですね。インターネット自体もARPAネットからの派生というのは有名な話です。VoIPというインターネットプロトコルに音声を載っける技術も、いきなり民生用(Skypeなどが有名ですね)で爆発的に普及して、後から業務用に広がって行ったというのがあります。

 携帯電話は業務用からスタートしたのでしょうが、スマホになると逆転しています。

 色んな理由があるのかもしれませんが、業務用ともなると「耐久性」とか「安全性」ということが先に立ってしまい、どうしても「押っ取り刀」的な対応になるのではないでしょうか?

 インターネット以前(アメリカは1989年、日本は1995年が一つの区切りでしょうか?)は、軍事用→業務用→民生用とだんだんと安くなっていくスピード感で良かったのかもしれませんが、インターネット後は情報伝達の早さ、技術へのリーチの早さなども相まって、いつの間にか逆転したのではないかと思います。

 業務用というのは、確かに「安全性・確実性・耐久性」が要求されるといいますが、それは「使い方」によるのでしょうが、別にあまりそこまで難しく考えなくても良い、内部的な仕事のものであっても、外部に対する影響と同じように考えてしまうフシがあります。間違えてはいけないという考えだからでしょうか?

 確かに間違えない方がいいのですが、「間違えないようにする」というのは、実は間違いがなくならないんですね。

 だって、人は失敗するから(笑)

 そのために、色んな対策を打ったり、練習をするのかもしれませんが、いかんせん人間は動物。必ずできるなんてありえません。

 間違えちゃいけないと気にしすぎると、余計プレッシャーになって間違えてしまうんです。

 むしろ失敗することを前提として、もしそれが起きた時にどうするか?という方が、実はトラブルが少なかったりするのです。飛行機の安全思想などはそこですね。海外の安全にかんする思想もそのような考え方です。

 まぁ、こういうことを言うと「間違えるとは何事か」とか「間違えることを認めるということか?」「無責任ではないか」という、もう答えようが無い質問を投げかけるケースが多いのですが(特に役所に向けてそうやってしまうケースが多いですし、法律にもそんな間違えて良いなんて書いていません。)

 間違えると何が起きるか。始末書、反省文などの膨大な罰則のような作文大会、糾弾大会が始まります。

 間違えないようにするという強烈なインセンティブは働くかもしれません。が、気を付けないと「何もしない方が安全」「リスクがあるものは他人にさせる」ということが起きかねません。

 これは組織としても不幸極まりない。誰もチャレンジしなくなります。

 むしろ、最初にトラブルも含めた経験を早くしておくことによって、そのトラブル対策であったり、その後のトラブル防止に役立つのですが、「完璧にしなくてはいけない」ということが、経験数の蓄積を少なくしてしまい、結局トラブルシューティングの経験が少なくなって、トラブル対応が後手後手になってしまうというパラドックスに陥ってしまうのです。

 なかなか皮肉なモノです。

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